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2016年3月 6日 (日)

崔健「光凍」アルバム評 その1

 アルバム「光凍」をずっと聴いています。そろそろアルバム評をと思いつつ、書きたいことが多すぎて、なかなかまとまらず。それでも「中国之星ロス」からようやく立ち直りかけてきましたので、ぼつぼついってみようかと思います。
 振り返ってみると、2005年の首都体育館ライブ(北京で12年ぶりに開かれた大型単独ライブ)ですでに「滾動的蛋」と「陽光下的夢」の2曲が、そして2008年の工人体育館ライブで「外面的妞」、2012年の五棵松ライブでは「魚鳥之恋」が発表されていたのですから、アルバムが完成形というわけではなく、熟成の過程にある発酵食品がもう食べごろ、だけどもっと時間が経てばまた違った味わいになるよ、というような印象が今回は過去のアルバム以上に感じられます。
 アルバムの統一テーマは「光」。閉ざされた世界に変化を促す、凍えた心を温めて溶かす、というような肯定的な意味合いと、親子関係や恋愛感情において愛情を使ってコントロールするケースでは、光は強制や不自由の象徴であり闇こそが解放・自由であるというネガティブな意味合いの両方を表現しています。
 さらにそこから、光と闇のようないわば「陰陽の接触」の延長として、「魚と鳥」の対比や「Outside Girl」の登場が、自らを客観視しながらアイデンティティーを浮き彫りにするのに役立っています。
 アルバムジャケットの絵は劇画的で、氷の中に閉じ込められていた大樹を太陽が照らし、氷に亀裂が走って木が自分から生き返ろうとしている、氷の破片が飛び散って、激しい音が聞こえてくるような、動きの有るもの。ずっと同じ状態ではいたくない崔健らしさが伝わってきます。ジャケットも歌詞カードもモノクロで、2本のMVもまたモノクロということは、光と闇のコントラストを強調したかったからではないでしょうか。
 ちなみに、大陸版と台湾版ではジャケットは同じデザインですが印刷の仕上がりが違います。大陸版は光沢の有るコーティング付き、歌詞カード表紙には木の影に金色の網掛けがありますが、台湾版はマットな仕上がりで歌詞カード表紙もマット。でも「崔健CUIJIAN」の部分は台湾版だけが金色の型押しになっています。歌詞カードは大陸版、台湾版で文字の違い(簡体字・繁体字)以外にも微妙な違いがありますが、そんな違いを云々するよりも本当に同時に発売されたことの意義が何よりも大きいですね。
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↑大陸版。金色の網掛けが分かりますでしょうか?

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↑台湾版。

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コメント

待ってました、川村さんの解説、深い~。改めてじっくり歌詞を読んでみます。でも老眼にはちょっと見にくいんですよね。
それにしても、最終回の中国之星での3人コラボよかったですね。ぜひもう一度ライブで聞きたいです。

投稿: 芳賀 久子 | 2016年3月 8日 (火) 00時17分

芳賀さん いつもコメントありがとうございます!歌詞カード、確かに。。。芳賀さんイチオシの楊楽さんは、案の定、近く音楽祭での崔健ライブにゲスト出演が決まったようですよ。今年こそ開いて欲しい北京ライブにも出て欲しい、そしたらまた一緒に見に行きましょう〜〜

投稿: 川村 | 2016年3月 9日 (水) 21時50分

やっぱりですね。
北京ライブ実現できるといいですね。
授業休んでも( ̄ー ̄)ニヤリ行きますよ。

投稿: 芳賀久子 | 2016年3月11日 (金) 09時55分

 音楽祭は、4月30日から5月1日の「長江国際音楽節」@鎮江 だそうですよ。林憶蓮も出演するようです。

投稿: 川村 | 2016年3月13日 (日) 16時15分

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